2014年、毎晩公園に大量の餌を運んでくるおばあちゃんと出会い、

地域猫活動をたったひとりで30年続けていらしたことを知りました。

(現在、その公園は別の方が餌やりを引き継いで数頭が元気にしているそうです)


同じタイミングで運命の猫「鼻チョビちゃん」と出会います。

たまたま通った道で人懐こくてお腹をすかせて餌をねだられ、

気になって数日通ううちに自分の子猫3匹を連れてきました。

おばあちゃんの話を聞いてお手伝いをしながら、

意を決して初めての地域猫手術として鼻チョビちゃんの避妊手術をし、

子猫の1匹は別の里親さんに、もう1匹は同じ活動をしている

公園を管理している方のおうちに、1匹は我が家に引き取りました。

これが空で、4歳半で急性の肝リピドーシスのため亡くなりました。


鼻チョビちゃんはわが家が初めて手術をして地域に返した猫となり、

現在も近所のお宅で半外飼いのような感じでその方と連絡を取りながら、

ごはんやのみ取りなどしていただいて元気にしています。

おばあちゃんが持病の悪化でお引越しをされると知り、

一部の猫の餌やりを引き継ぎました。

餌やりをしているうちに、

避妊手術をしていない雌猫が非常に多い地域ということもわかり、

爆発的にあちこちで猫が増え、町内会でも苦情が絶えないと聞きました。

そして、本格的に地域猫活動をスタートさせました。

すでに子猫が生まれていた場合には、

子猫をできる限り全頭保護し、

つど初期医療(エイズ白血病検査と虫下し、風邪の治療など)をし、

里親さんにつなぐ活動をしながらおかあにゃんの手術を進めました。


2017年2018年頃が、手術や緊急保護が一番多い時期でした。

商店街に隣接した住宅地ということもあり、

あちこちの地域で爆発的に増えていた猫たちの手術依頼が来たりしました。

(活動費としてご寄付をいただき、

それぞれ個人個人で活動していた人を集めて連携取り、

それぞれの地域で手術を勧めたり餌やりを手伝ってもらったり、

地域の方に説明してまわったりしました)

子猫の保護も相次ぎました。

里親さんと出会えた子猫も多数おり、

里親さんにはいつも心から感謝しております。

里親さんを探すタイミングで体調が悪くタイミングを逃し、

我が家に入った猫もおります。


また、子猫時代から見て手術もし、

餌やりをしていた大人猫が交通事故にあい、

内臓の位置が変わり、片方の肺は機能せず、手術もできず、

検査だけしてそのまま生きるしかない子がいました。

その子は一度検査後に地域に返しましたが、

外では長生きできないだろうと保護してむかい入れ、

今でも普通にゆっくり日々を暮らしています(グレーモフ)。


その兄弟で、喧嘩が弱く、

地域になじめないオスの猫も同時に保護し(茶モフ)、

兄妹同じタイミングでうちに入りました。

実は、2020年最後に我が家に入った4匹チームのシマが、この2匹の兄妹です。

3匹同じ家に時は違えど一緒に暮らすようになりました。


その後、手術もして餌も人も好きで元気にしていたおかあにゃんが

突然交通事故で亡くなりました。夏の日でした。

6年間、最初は雨の日はお休みしていましたが、

最後2年ほどは雨が降っても台風でもひどくなければ

餌やりと管理に毎晩通いました。

この猫たちが暮らしていたエリアの一部は、

間違いなく虐待で亡くなっただろう猫が数匹出たエリアもあり、

現在も別の方が町内会と連携を取ってくださり、

餌やりを続けてくださっているので見回りなどを強化しています。

たくさんの人と猫に出会って別れてきました。

特に猫は…つらい想いをさせて避妊手術をして、

変わりに子供たちは里親さんにつなげられたケースもあれば

収容できずそのまま大人になってしまった子猫もおり、

大半は出逢って半年1年で知らずお別れしていきました。

間違いなく亡くなっていたと確認できた猫は数匹しかおらず、

あとは病気で調子が悪そうだったりある日突然だったり、

行方がわからないまま…

おそらく生涯が終わったのだろうと推測することしかできない猫が

何十頭もいます。

地域猫活動が、命の倫理も含めて最高の活動とは思っておりません。

が、里親さんを探そうと保護する予定日の前日に

カラスに4匹子猫がさらわれ食べられたり、

生まれて1日ぐらいの子猫が下半身を何かに食われて

苦悶の表情で亡くなっているのをえさ場近くで見つけたり、

人伝てに交通事故にあって亡くなったと聞いたり…

その繰り返しでした。

命とは何か、

人間が他の生き物の命をコントロールすることはエゴではないのか?(特に飼っていないのに)

その結論は今でもうまく出すことができませんが、

少なくとも家に入れば食と住まいには困らずにいられることはわかっています。

里親さんにかわいがられて、写真をいただくたびに

主人もわたしもほんとうに心からよかったと、涙出そうになっています。

冬は、アスファルトも土もじっとしていても足元から体温を奪っていきます。

外の猫たちは毛皮がゴワゴワの厚さになり

体も倍くらい大きくして寒さに備えます。

それでもどれだけ寒い日を過ごすか…

夏も地獄です。逆にどこも暑い。脱水で保護した猫も多数います。

雪が降ったり台風がきたり、

生き物として自然の中で生きるのは当たり前という意見もありますが、

日本で年間行われる殺処分が全国的に猫の数が多いこと、

その大半は乳飲み子であることを考えると、

地域猫活動は必ず効果もあり有益であると自信をもって言えます。

手術を受け、餌をもらえる状況でも早ければ半年で亡くなりますが…

命がその代で終止符を打つ形になるのは、

不幸な猫を減らすことに繋がると断言できます。

今回、一度地域猫活動を最前線から離脱するタイミングで、

毎日毎日かかわってきた猫たちのことを思い返しています。

主人とわたししか知らない猫も多数います。

身体的にも心理的にも、非常にきつい毎日でした。

それでも毎晩、嬉しそうに待って走ってくる猫たち、

うれしそうに毛づくろいする姿を見てきて、

どうかこの国で1匹でも多くの猫が幸せになってほしいと

強く強く願ってやみません。

地域猫活動が、少しでも多くの方に伝わっていくこと、

そして猫たちが幸せに生涯をまっとうできることを

心から願っています。

追記:うちが毎日餌やりをしなければならなかった猫の他に、

他の方が餌やりをしているケースや、

知らない方だろうけれど餌をもらっている感じの猫が

まだ多数この地域にいます。

毎晩ではないですが、見回りをしながら

緊急時には活動している方々と連携を取って対処していく形で、

暮らしている猫たちのケアは続けていきます。

緊急時にはご支援品の購入費などを

活動に充当させていただく可能性もあります。